2019年12月07日、渋谷にてセミナー&トークセッション『ストックイラストのススメ』に行ってきました。
会場には多くのデザイナー・イラストレーターさんが参加されました。今回はセミナーのレポートです。
『ストックの基本的な考え方と需要について』:PIXTA 鈴木竜一さん
はじめに、今回主催のPIXTA クリエイティブアドバイザーの鈴木竜一のお話から。
『ストックの基本的な考え方と需要について』。
ストックとは、1つのサイトを通じて、クリエイターは素材の投稿を、素材を使用するユーザーはデータを検索し、使用した分、もしくは月額料金でお金を支払い、クリエイターに一部還元される仕組みです。
クリエイターは投資型積み上げ式のビジネスモデルとなります。
素材1つの単価は小さいですが、ひとつひとつの積み重ねで売り上げができるようになっています。
ストックの素材は写真、動画などさまざまあるのですが、今回のセミナー対象はイラストですね。
購入には季節のピークがあったり需要もさまざまで、売り上げに波があり、ビックテーマでも新規参入のチャンスがあり、点数と1点あたりの売り上げのバランスが大事とのことです。
PIXTAさんは実際購入されるユーザーさんは広告、ビジネス用途で利用することが多く、ランディングページやバナーデザインによく利用されています。
ジャンルによっては、写真がイラストに置き換えることもでき、ジャンルに注目して、自分の素材がどこで使われているか想像して創ってみるとよいとのことでした。
セミナー『ストックイラストと時間の使い方』:マツさん
次はセミナーです~!
今回登壇するストックイラストのトップクリエイターのお一人、マツさん( @matsuillust5 )。
テーマは『ストックイラストと時間の使い方』。
2011年からストックイラストをされているマツさんは、2019年現在、9歳と6歳の娘さんがいて、PTAの役員をやりながらも、ストック売り上げがこの1,2年で伸びたトップクリエイターさん。
そんなマツさんでも、家事や仕事で、2017年の一時はほとんどストックイラストに投稿することができず、売り上げが下がってしまった……。
そこで、マツさんは考えたのは、「スキマと生産性」。
スキマ:スキマストック
スキマ時間に作業をするのを工夫する。
マツさんは工夫を3つにまとめておられました。
・iPadをつかう:CLIP STUDIO PAINT for iPad、Dropboxを利用して作業をする。
テーマやタッチをそろえるために、クリスタは機能を限定して使っているとのことでした。
・アイコンをつくる:アイコンを人物と組み合わせると、テーマができる。
・型をつくる:ひとつのイラストをいろんなテーマに流用する。
生産性:時間密度UPストック
生産性をアップさせること、短時間でイラストを描くことのほかにも、工夫をまとめておられました。
・ストック流用の仕事を受ける:クライアントワークと同時進行できる、流用できるイラストはバリエーション展開する。
・モチベアップ素材を創る:自分にとって息抜きになるような素材を創ってみる。好きなテーマなら、早く描けるはず。ただし、好みにより過ぎず、テーマを持たせる。
・むりしない:時間かかるもの、調べないと描けないものは時間掛けられないときには、むりして描かない。
ストックイラスト1テーマにつき100個うちの内訳とかも見れて、非常に興味深かったです。
セミナー『ストックイラストの進め方(レベル別)』:トラノスケさん
つづいて、ストックイラストのトップクリエイターのお一人、トラノスケさん( @to_ranosuke )。
2011年からストック投稿を始めて、人物系のイラストを中心に、さまざまなタッチとテーマを描かれているストックイラストのトップクリエイターさんです。
ストックイラストに関するノウハウの情報発信もすごく精力的にされているお方で、noteに初心者がストックイラスト始めるにあたってスタートダッシュできる投稿をいくつもされています。
初級:テーマ・タッチ・ジャンルを塊で登録していく
登録していくときは同じテーマ、タッチ、ジャンルを連続投稿することで、1画面に表示される占有率がアップします。
これはTwitterでも補足したのですが、自分でPIXTAさんのサイトで画像を検索すると、とても分かりやすいです。キーワード検索すると、おんなじタッチのイラストが複数並んでいる状態が出ると思います。それが占有率です。
(デスクワーク、セミナー、など自分が気になるワードを検索してみてください。)
見てもらえるものが多ければ、多いほどダウンロードされる率も高くなります。だから、同じテーマのものを連続して投稿した方がいいのです。
初級:人よりも…ちょっと詳しい、好き&得意から
これから投稿始める人で、どんなテーマがいいか?
人よりも、ちょっと詳しく、好き&得意なところから取り組んだ方がよいとのこと。
初級:簡単なバリエーションは0を1にするもの
過度なバリュエーション増やしは売り上げになるかといわれた、そうとも限らない。
たとえば、同じテーマでユーザーは線画色あり、線画なし、線画だけの3種類から1つ選ぶので、バリエーション登録しても、売れるとは限りません。(テーマのセット買いが狙えない)
中級:ストック内のブランディング
ひたすらストックの売れ筋を追っているのは、いつまでたってもパイの奪い合いで売り上げが伸び悩んでしまいます。
経験と予測から自分で売れ筋のテーマや手法を生み出す(例えば、マンガ、線なしでも背景選ばない白フチ、ジャンプさせる、時事ネタなど)〇〇言えばこの人、を目指していくのがカギ。
バリエーションはほどほどに、横展開していく
王道の売れ筋を人の手に届いていないところまで掘り下げる。
ニッチなもの、表情のバリエーション、イラストだからできる表現を創ることで横展開ができる。
しかも、既存パーツが増えるほど時短になりえます。それが、ストック内のブランディングに繋がります。
この横展開の仕方がトラノスケさんの強いところでして、ほんといろんなものに横展開されていたのがすごかったです……!
他、オフレコのお話も……!
「絵を描いたことがなかった私が、イラストレーターになれた私のイラストの作り方」をお話されていました。絵が上手くなれないな、伸び悩んでいる人には必見でしたね。
(これはオフレコのお話で、ここでも書けないです、ごめんなさい……!)
最後に、「まだまだユーザーさんからの声きくと、まだまだ足りないって言われる。ストックイラストの概念に捉われないストックを創っていってほしい、ストック素材で探しても素材がないってことがなくなる世界を。」ということでした。
トークセッション&交流会
セミナー後、マツさん、トラノスケさんとお二人でトークセッションがありました!
色んな質問に答えていくお二人のお話、とても貴重でした。
売れなかったストック、売れたストックのお話もとても興味深かったです。
最後に、参加者同士で交流会。
名刺交換したり、ストックやろうと思ったり、ポートフォリオ見せあいっこして研究したり……。
会場は、とても熱気に包まれていました!
たくさん時間があったはずだったのですが、あっという間で、Twitter相互さんとご挨拶したかった方とお話があまりできなかったのがちょっと心残りです。
ぜひ、またの機会おしゃべりしたり、情報交換させてください……!
セミナーを終えて
ノウハウ詰まったセミナー
セミナーのお二人ともたくさん考えて、工夫し、成功した事例を聞くことができました。
私たちはそのエッセンスを聞いて、自分たちがストックイラストやっていく上でダッシュ掛けれる、そんなセミナーでしたね。
都度、質疑応答があって、誠実にお答えする2人が印象的でした。
前回参加セミナーとは違ったお話されていたので、これからストックイラストはじめる方は良ければ、ご覧くださいね。
今後もきっとセミナーが、あるはず!
定期的にストックイラストの相談会やセミナーを開催しているPIXTAさん。
ストックイラストにご興味ある方は、「Peatix」でPIXTAのイベント情報チェックしておくと良いかもしれません。
あと、今後、交流会あるイベント参加される方は、ぜひ名刺持って行った方がいいですよ~!
せっかくだから、一緒にがんばれるクリエイター仲間作りましょう。
リアルタイムつぶやきさせていただきました!
最後に、今回のセミナーで、リアルタイムつぶやきをさせていただきました。
前回のセミナーでリアルタイムでつぶやいていたのをマツさんが見てくださっていて、PIXTAのスタッフ川西さんと一緒に頑張らせていただきました。
お話されていることで、自分がわかる範囲の補足情報も追加しています。
特別な能力と思っていなかったのですが、 今回も行ってたくさんの方々から感謝の言葉いただいててやってよかったと思っています。ありがとうございます。
参加されていない方も、参加された方も、今回のセミナーの振り返りに、ハッシュタグやTogetterをぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
ハッシュタグのほうはセミナーのまとめたアウトプットされている方が続々と増えていて、みなさんクリエイター刺激されているなぁって思って私も振り返りさせていただいています。
(実は、私は実況していて、いいお写真撮れていないので、セミナーのパワーポイント等はこちらチェックしてみるほうがいいと思います。)
まとめ
セミナーを通じてストックイラスト投稿するモチベーションが上がりました。自分の生活のスタイルに合わせて、自分が得意なところをがんばって投稿したいですね。
マツさん、トラノスケさん、PIXTAのスタッフさん、セミナー参加者のみなさま、ありがとうございました!
私も、じゃんじゃんストックイラスト投稿していくぞ!